ご挨拶

21世紀に入り再生医学研究が世界的に注目を集めております。そのうちの一つ、幹細胞を用いた再生医療が特に注目を集めております。人体から採取した細胞群を、体外で操作する事によって幹細胞を選別し、増殖させ、目的の臓器になるように導き、体内に戻す、という治療方法ですが、実際に骨髄由来の幹細胞を心筋梗塞治療に使用する細胞移入療法も臨床応用され始めました。しかしながら、(1)体内に移植した細胞がどのように動き、目的の臓器まで変化するのか、(2)そもそも幹細胞だけを選択的に標識するマーカーがないため、幹細胞の本質が十分解析されていない、という根本的な研究が欠落したままです。

当社の「幹細胞を生体内で適切に動かす」という研究こそがこの欠落を埋め、安全かつ効果的な再生医療を成し遂げるための、時代の要請となってまいりました。「世界に先駆けてこの研究分野を創出・確立し、成果を事業化する事によって、臨床応用へ広く発展させたい」という強い使命が我々の研究を支えております。

米山 博之(よねやま・ひろゆき)
医学博士。2000年学位取得。
東京大学大学院医学系研究科特任助手を経て現職に至る。
専門は消化器・肝臓病学。生体侵襲に伴って新規に血中に動員される樹状細胞前駆体を2種類発見した。一つは骨髄系樹状細胞前駆体で、炎症局所に迅速に集積した後、免疫応答を誘導する決定的な役割を担うことを見出した。更に、樹状細胞前駆体の肝内各コンパートメント間の遊走パターンが肝障害の転機(治癒か慢性化か)を決定付けることを証明した(Nature Reviews Immunology,3:51-62,2003.に引用)。もう一つは形質細胞様樹状細胞前駆体で、炎症局所とは別に、全身のリンパ節に集積して免疫応答をバックアップしていることを見出した(Nature Immunology 5:1219-1226,2004,Reviewに引用)更に、肝臓における門脈幹関連リンパ装置(PALT)を発見した。また、侵襲により欠損した腸管上皮細胞ならびに膵臓β細胞の再生に、ケモカインが直接関与していることを世界で初めて証明した。現在、炎症と同時に開始される組織再構築過程を生体内レベルで制御(病理的再生の制御)することにより、新規の再生促進治療法や、線維化を中心とした慢性疾患治療法の開発につながる基礎研究を展開している。
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